眩しさの中、最初で最後の恋をした。
今日はファミレスでみんなで夏休みの予定を計画する。
みんなで遊んだり出掛けたり出来るのは、本当に楽しみで仕方ない。
私の駅へと向かう足取りはいつになく、軽くフワフワしていたので危うく転びそうになると、隣を歩いてた要くんが腕を引いて助けてくれる。
「楽しいのは分かるけど、危なっかしいな。ほら、行くぞ」
危ないと判断されたらしく、しっかりと手を握られて歩き出した。
目の前の日菜子と蒼くんも手を繋いでいる。
あちらはカップルなので恋人繋ぎ。
私達は普通に繋いでるけれど、背の高い要くんは手も大きくて。
普通に繋いでも包まれてる感じになる。
これが嫌じゃないんだから、困る……。
私は恋はしないって決めてるのに……。
でも、このムズムズして落ち着かないのに嫌じゃなくて……。
手を離せない……。
なんとなく自分でも分かってきているけれど、認めたくなくて、必死に否定している。
自分の気持ちなのに、ままならない。
思いは複雑だった。
だけど、この夏は楽しみたい。
素敵な思い出が欲しい。
だから、このムズムズとする感覚からは目を逸らして、私は四人で遊ぶ計画の話に楽しく参加して、夕方には家へと帰ったのだった。