眩しさの中、最初で最後の恋をした。

中一日置いて、次はサッカー部の三年生の引退試合。
こちらも我が校に交流のあるチームを招いて試合をするのだという。

その日はとっても暑かったので、調理室を借りて日菜子にも手伝ってもらって差し入れの準備をした。

この日準備したのはサイダーを使うフルーツポンチだ。
フルーツをカットして、1番大変なのは小玉とはいえスイカをくり抜く作業だった。
これを日菜子と半分に割ったスイカを二人で何とかくり抜き、フルーツもサイダーも冷蔵庫を借りて保管した。

その準備が済む頃には、試合がそろそろ始まるので私と日菜子は大急ぎで試合会場のグラウンドへと向かった。

うちのサッカー部のユニホームは黒に白なのでゼブラな感じだ。
上だけタテ縞で下は黒一色でソックスも黒。
ソックスは折り返し部分に白のライン2本入りの物。

ユニホーム姿は初めて見るけど、結構カッコ良い。
みんなスラッと背が高く、足の長さが際立つ姿をしている。

フェンス越しに眺めている私と日菜子に、キーパー服で暑そうな蒼くんが気付いた。

「日菜っち、有紗ちゃん。今日は見に来てくれてありがとう。俺もバシッとキメるし、要は最高にかっこいいからしっかり見といてやってね」

走り寄って来て、そう声をかけると蒼くんは再びグラウンドの中央付近へと戻って行った。
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