眩しさの中、最初で最後の恋をした。
今回の試合は引退試合とは言え他校との交流戦で、三年生のあとは下級生同士でも一試合やるらしい。
まずは三年生からで、ホイッスルが鳴り響き試合が始まった。
高校生男子のサッカーの試合は迫力があった。
ボール回しも本人達の動きもとっても早いのだ。
見ていてハラハラしたりドキドキしたり、忙しない動きに見ている方も気持ちが高揚してくる。
そして、相手が攻めてきたボールをしっかり止めるキャプテンの蒼くんはゴールから仲間に声を飛ばしている。
「石津!中に飛ばせ!要もボール貰ったら攻めろ!」
そんな声がけとともに、蒼くんがボールを蹴り飛ばす。
この激からの、みんなの動きはスムーズになり互いに声をかけあいつつ、相手のゴールへと攻めていき前半十分で先に先制ゴールを決めた。
入れたのは要くん。
綺麗に相手選手をドリブルで交わしてパスも回しつつ、最後はかなり強い力でガツンとゴールを決めた。
その姿は実にカッコよくて、その笑顔は弾けるように眩しかった。
その後も気づけば順調に点数を重ね、一時間ちょっとの試合はあっという間に終わる。
うちの高校が完全勝利をおさめて、要くんたちは気持ちよく引退試合を終えた。