眩しさの中、最初で最後の恋をした。
「まず、何食べる?」
「とりあえず、かき氷!」
「いや、俺は肉食べたい!」
「私も、かき氷かな?」
ここで男女の意見が割れる、ありがちなパターン。
「かき氷食べながら歩きつつ、美味しそうな肉の出店を探す!どうよ?!」
日菜子、かき氷はゆずれないのね。
「うーん。男子は肉を求めてて、女子はかき氷なんだね……。お互い近い店に並ぼうか?はぐれないように」
その蒼くんの提案は彼も肉が食べたい証拠だった。
聞き役だったけど、やっぱり食べたかったんだね。
そうして互いに焼き鳥屋とかき氷屋が隣合ってるところに並んで順番を待つ。
最近のかき氷屋さんはシロップかけ放題なのが嬉しい。
たっぷり掛けて食べるかき氷は甘くて美味しい。
順番が来て、お金を払いかき氷を受け取ると、前面に並んだシロップの中から選んでガッツリかけた。
私が選んだのはイチゴ。昔からかき氷はイチゴだ。
日菜子が選んだのはここ近年見かけるようになったぶどう味。
ちょっと気になったので互いのを1口ずつ食べる。
こういう気兼ねないシェアもお祭りならでは。
「んー!冷たくて美味しい!」
「ぶどう味。初めてだけど、まぁまぁ美味しい!」
そんな感じで二人で食べてる所に焼き鳥屋さんで思った以上の焼き鳥を買ってきた二人が戻ってきた。
その手の袋はパツパツに膨らんでいる。