眩しさの中、最初で最後の恋をした。
「ねぇ、いったい何本かったの?」
聞いてる日菜子は呆れ顔だ。
私は驚いた顔しか出来てないと思う。
「ん?20本ずつ、いろんなの買ってきたよ!モモにネギマにつくねにぼんじり、軟骨もあってね!塩とタレに分けてきたよ!」
得意そうに返事をした蒼くん。
隣の要くんも、心なしかウキウキした空気を出してる。
「他にも屋台の食べ物はいっぱいあるのにそんなに食べるの?!」
日菜子のツッコミはごもっとも。
私もびっくりしてたくらいの量だから。
「ん?みんなで食べればすぐ無くなるよ!俺と要だけでコレ3分の2は食べるし」
そんな自信たっぷりの返事に、私と日菜子は、顔を合わせて笑いだしてしまった。
「え?なんかおかしいの?」
蒼くんは、訳が分からずキョトンとしている。
「それじゃあ、少しどこかに落ち着いて食べよう」
少し行った先の駐車場のタイヤ止めに座りつつ、みんなでワイワイと焼き鳥とかき氷を食べる。
宣言した通り。
私は各種を1本ずつ、日菜子はモモとぼんじりは2本とその他各種は1本ずつ食べて、あとの残りは男子二人の胃袋にすんなり収められてしまった。
運動部の男子高校生の食欲はやっぱり凄いんだと実感した場面だった。