眩しさの中、最初で最後の恋をした。

食べ終われば、再び屋台の方へと繰り出す私達。
男子は射的をしたり、私はキャラクターのベビーカステラを買ったり、みんなで1パックのたこ焼きや広島焼きを食べたりして楽しく遊んで周りが暗くなる頃、花火の打ち上げアナウンスが流れ始めた。

その頃には再び食べ物を買って私達は見やすい公園の一角へ移動していた。
そこでポテトや唐揚げ、チーズ揚げにりんご飴、焼きそば、とうもろこし等をみんなでつまみながら打ち上がる花火を見上げる。

上がる花火はニコちゃんマークの変わった花火から色が変わっていく大玉や、しだれ柳のように降ってくるもの。
次々に打ち上がる花火はどれも綺麗で一瞬で消えてしまう……。

きっと、こんなふうに見られる花火は今年が最後だから……。
私は空から目を離さずに、打ち上がる花火を見つめていた。

「有紗、このチーズ揚げ美味しいから一緒に食べよう?」

声をかけられるまで十分堪能した私は、笑顔で振り返り日菜子や蒼くん、要くんと食べつつ話しつつ、夏の風物詩を満喫した。

きっとこの思い出は、私から消えることは無いだろう……。

今年の夏、私はたくさんの思い出を作るために動くと決めたから。
それに応えてくれる、素敵な友人とお姉ちゃんに宏樹くんがいるから。

まだまだ始まったばかりの夏休みは、きっと充実するだろう……。


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