眩しさの中、最初で最後の恋をした。
キャンプの予定を立てたのは1ヶ月を切っていたのにも関わらず、宏樹くんのツテを駆使して無事にキャンプ場も予約出来てキャンプに行けることになったのだった。
そうして迎えたキャンプ当日。
集合は学校の最寄り駅。
駅のロータリーに車を停めると、様子を見ながら待ってたのか直ぐに三人は気づいてロータリーに着いた宏樹くんの車に近づいてきた。
「おはよう!有紗。いい天気で良かったよね!」
弾んだ声の日菜子は今日も元気いっぱいだ。
「おはよう、有紗ちゃん。お姉さん、彼氏さん。今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
男子ふたりはしっかりご挨拶。
それに気づいた日菜子も慌てて、挨拶する。
「今日は私達も一緒に誘ってくれてありがとうございます!よろしくお願いします」
そんな三人をお姉ちゃんと宏樹くんは微笑ましげに見て、返事をした。
「こちらこそ、誘いに乗ってくれてありがとう。キャンプは人数が多い方が楽しいからね!みんなで楽しもう」
「はーい!」
高校生組は元気に返事をして、宏樹くんの大きなワゴン車に乗り込んだのだった。
ここから、キャンプ場までおよそ二時間。
車内でも和気あいあいとお喋りをして、気づけば辺りは緑が目に鮮やかに飛び込んでくるような場所に来ていた。