眩しさの中、最初で最後の恋をした。

みんなでBBQのあと片付けをしたあとは、夏の風物詩。

「これ!みんなでやろう!」

日菜子が持ち出したのは花火のセット。
しかも置型、手持ちと沢山入ったやつ。

「おぉ!これは俺達準備してなかった。日菜子ちゃん分かってるね!」

そして、再び昼間の流しそうめん位に大はしゃぎしながら花火をした。

日菜子は、要くんと蒼くんが置型を並べ終えて離れるとネズミ花火を持ち出して驚かせたり。

手持ち花火でオタ芸しようとする蒼くんを要くんが危ないと止めたり。

実に賑やかに笑いが絶えない。

最後の線香花火は誰が一番長くもつか対決になり、勝ったのはお姉ちゃんだった。

「悔しい、もう少しで勝てたのに」

そんな私の呟きに、少し目を丸くした後要くんは髪を撫でつつ言った。

「あぁ、惜しかったよな。最後姉妹対決だったし。またみんなでやろう」

その言葉に私も笑みを返した。

「そうだね、またやりたいね」

それが難しくなる事を隠したまま、私は笑顔を返した。

花火が終わると、男女に別れて温泉へと行き今日泊まるバンガローに戻った。

リゾート経営の会社が扱うだけあって室内は綺麗で清潔感がある。

そこに布団を敷いて、みんなで転がる。
本当に楽しくて、楽しくて。
話しながらも疲れた私は、誰より早く寝てしまったのだった。
< 80 / 192 >

この作品をシェア

pagetop