眩しさの中、最初で最後の恋をした。
九月 新学期と体育祭
楽しかったキャンプも終わると夏休みも残り少しで、あっという間に新学期を迎えた。
九月に入るというのに、相変わらず日差しはきつく暑さはまだまだ残っている。
残暑と言うより、今年の夏は酷暑だ。
連日35度を超える超真夏日には、元々暑さが苦手な私はうんざりしていた。
「何故、この暑さの中を制服着込んで学校に行かなければならないのか……」
朝食の席でグチグチと天気と暑さに文句を垂れていたら、母は仕方ないという顔をしてひと言。
「今日のおやつは大好きなアイス買っておくからいってらっしゃいな」
ちなみに今日は父もお姉ちゃんも朝早めの出勤だったため、ダイニングには私だけである。
最近のお母さんは洋食にハマったらしく、朝はトースト、スープ、サラダとエッグベネディクトが出てくる。
卵料理に関しては朝の気分で変えるみたい。
そんなカフェ朝食をカフェ・オ・レと共に食べると、私も洗面所で出かける前の身支度を整えて玄関へ。
「それじゃあ、行ってきます」
そうして、うんざりする日差しの中を歩いてバス停へ。
バスを降りれば電車に乗り、電車を降りればまた学校へと向かって歩き出す。
学校に着く頃にはひと汗かいているのだ……。
朝からげんなりである。
下駄箱で靴を脱いで上履きに履き替えてるところで、声を掛けられた。