雨夜の星に、願いひとつ
「なんか意外ですね」
「何がですか?」
「相沢さんもあんな短冊で笑うんだって。なんとなくマジメそうなイメージだったから」
「いやいや、わたし全然マジメキャラじゃないですよ。むしろアホです。ギャルのパンティーで笑っちゃう女ですし……」
「ははっ」
柴ちゃんの笑顔を初めて見た。
“さわやか”とか“屈託ない”とは少し違う、いい感じに力が抜けて落ち着いた笑顔。
「でも俺、いいと思いますよ。相沢さんみたいにキレイなのに気取ってない女性って」
柴ちゃんが言い終わるのと同時に、彼のスマホが着信して震えた。
電話に出た柴ちゃんは短く何か話したかと思うと、「ちょっと待って」と電話相手に告げてわたしの方を見た。
「相沢さん、今日終わってから時間あります?」
「え?」
「バイトの連中で飲み会あるんですけど、もしよければ相沢さんも一緒に」