初恋の君と、最後の恋を。
「誕生日おめでとう。何もなくてごめんね」
「そ、そんな!とんでもありません」
ただただ嬉しかった。
「今度、埋め合わせさせて」
たった5文字の"おめでとう"に、
心のわだかまりが消えていくようだ。
この時、既に答えは出ていたのかもしれない。
婚約者からのおめでとうと、
初恋の先輩からのおめでとう。
同じ5文字の言葉を送られても、
受け取った時の心の在り方は、
大きく異なっていたから。