初恋の君と、最後の恋を。

声を上げて泣いた。


仁くんに向けての謝罪の言葉と、黒瀬先輩への暴言をたくさん吐いた。

最後は同じ台詞の繰り返しだったけれど。


人の水分って無限にあるのではないかと思うほどに涙が溢れ続けた。


毎日泣いても泣いても、この涙は枯れないような気がする。




「ほら、早く起きろ」


「雅美…」


「朝だ!」


目の前に綺麗な顔が迫る。




カフェからの帰り道、雅美の家に直行した。


夜まで弱音を吐き続け、そのまま寝落ちしてしまったようだ。


「学校行きたくない…」


「アイツに会うのが怖いか?」


「怖いよ」


「でも逃げないって決めたから、仁と向き合ったんだろ」


そうだ。

仁くんに本音を告げた。
彼を傷付けてまで、私は黒瀬先輩を想い続ける道を選んだ。

せめて後悔しないよう、前に進もう。



「フラれて、更に好きになるなんて頭がイかれてるよね」


「今更?好きだ好きだと飽きずに言い続けている時から、菜子はおかしいよ」


雅美は白い歯を見せて笑ってくれた。


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