初恋の君と、最後の恋を。
「雅美、体調は大丈夫?」
「あんたこそ足は?」
「薬が効いてるから大丈夫」
久しぶりに雅美と登校した。
中学の頃はイジメられていた私を守るように、どこに行くにも一緒だった。
例え男子であろうと、構わず立ち向かっていく彼女が憧れだった。
ううん、今も彼女の真っ直ぐな生き方に憧れている。
「昨日、相馬先輩がお見舞いに来てくれたでしょう?なに話したの?」
「別に」
「相馬先輩、雅美のために2周走ってくれたんだよ」
満員電車に揺られる。
泣きはらした目元を隠すようなメイクを雅美が施してくれたため、周りの目は気にならない。
「礼は言うよ」
「うん!一緒に3年生の教室に行こう!」
大丈夫。
私はちゃんと笑えてる。
仁くん、あなたはーー