初恋の君と、最後の恋を。
突然の出来事
8月。夏休みに入り、初日からアルバイトに向かった。
今まで飲食店のアルバイトをしたことがないため、
注文を聞いたり、コーヒーをテーブルで運んだりとひとつひとつの仕事が新鮮だった。
淹れたてのコーヒーの香りが漂う店内で、丁寧に仕事を教えてもらった。
年配の優しいマスターと、その息子さんで営む品質にこだわり尽くしたカフェだ。
お昼休みにサービスしてもらえるまかないが、とにかく美味しい。
昨日はオムライスだったなー。
「それっぽくなってきたじゃん」
焦げ茶色のエプロンをして動き回る私に雅美は満足気に頷いた。
「でしょう?素敵なお店だし、ずっと働いていたいな」
「就職させてもらったら?」
毎日のように顔を出し、既に常連になっている雅美もランチセットがお気に入りのようだ。
夏休みが始まって1週間が経とうとしているけれど、とても充実しています。