初恋の君と、最後の恋を。

好きな人と食べるお昼は特別だ。
この人を好きになれて、良かった。

大好きだ。


「黒瀬先輩と一緒にいると、本当に楽しい」


「ありがとう」


「大好きです」


「ありがとう」


お茶を飲む手を止めて目線を合わせ、丁寧に受け入れてくれる。


優しい声で、ありがとうって。




分かってる。
告白が受け入れられたわけじゃない。

誰にどんな告白をされようと、
先輩の答えは同じなのだろう。
"ありがとう"って笑って返すんだ。



「明日のお昼も一緒に食べて良いですか?」


「いいよ」


先輩には拒絶というものはないのだろうか。

全て受け入れてしまうのだろうか。


ううん、きっと。
先輩は優しすぎるんだね。


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