初恋の君と、最後の恋を。
昨日のこと…?
連絡先のことで頭がいっぱいになっていた私が反応に遅れても、黒瀬先輩は優しい微笑みを浮かべて返事を待っていてくれた。
ああ、こういうところだよ。
1歳年上なだけなのに、大人な余裕を見せつけられる。
黒瀬先輩になら抱えている想いを全てぶつけてしまいたいと思ってしまう。
包容力っていうのかな。
「あ、金曜はごめんなさい…次の日の土曜日なら空いてますけど…」
これも雅美のアドバイスの1つだ。
放課後の買い物なんて帰るついでに寄り道しているようなものだから、休日に約束をこぎつけなさいと命令口調で言われた。
そうだよね、わざわざお休みの日に待ち合わせした方が特別な感じがするよね。
それに黒瀬先輩の私服も拝めるチャンスだし。
そっと顔色を伺うと、手帳を開いてスケジュールを確認していた。