初恋の君と、最後の恋を。
携帯を置いて、先輩から渡された包みを開く。
中にはポーチが入っていた。
2つ買ったポーチの、水色の花びらが描かれた方を贈ってくれた。
こうしてあなたは、私を惑わせる。
気遣いは有り難いけれど一生、捨てられないポーチを持ってお嫁に行くことになるんだよ。
なにも気付かないフリをして、『おまえのことが嫌いだ』そう言ってフッて欲しかったけれど。
無理だよね、正直なあなたは。
意味のない嘘なんてつかない人だ。
ポーチを抱き締める。
異性として想っているのは、あなただけ。
黒瀬先輩、やっぱり大好きです。