初恋の君と、最後の恋を。
翌朝、いつもと違う電車に乗り、学校へ向かう。
先輩はもう教室に着いている時間だろう。
重い足を引きずって乗り込んだ満員電車はいつも以上に息苦しく、軽い立ちくらみを起こす。
私の恋は宙ぶらりんだ。
始まってもなければ、終わらせても貰えなかった。
黒瀬 良斗。
その名前を聞いてときめかない日が、来るのだろうか。
あー、本当に嫌になる。
気持ちの整理をつけたくて、告白したのに。
この気持ちは何ひとつ変わっていない。
イヤホンを取り出す気力もなく、ぼんやりと揺られていた。