初恋の君と、最後の恋を。
異性の友達
6月に入り、
一方的に好きと連呼していた時と何も変わらず、先輩とは友達として上手くやっている。
ただひとつ、変わったことと言えば。
「…あの、なんで?」
「なにが?」
桜ヶ峰駅で先輩を待つ幸せな朝の時間、隣りに立つ影に顔を上げる。
「…なにしてるの?」
「それ昨日と同じ質問だけど、答えた方が良い?」
肌けたシャツの上に巻かれたネクタイと同じようにゆるい雰囲気を醸し出すパーマ頭の先輩を見つめる。
この間、黒瀬先輩と鈴宮先生の居場所を教えてくれた3年生だ。
「もしかして今日のお昼も邪魔するつもりで?」
「邪魔?人聞きが悪いよ。俺は良斗の友達だから当然、昼飯も一緒に食うだろ?」
そうーーここ最近、パーマ先輩と3人でいる時間が増えた。
言い方を変えれば、黒瀬先輩と2人きりの時間が減ってしまった!