初恋の君と、最後の恋を。
爽やかな先輩とは正反対に、口を開けて大きな欠伸をしたパーマ先輩に溜息をつく。
彼が付き纏っても黒瀬先輩は嫌な顔ひとつせずに応対していた。
うざったい程に付き纏う彼を見て、腹が立つ。
自分を見ているようでーー
「ふあぁ」
「そんなに眠いなら、もう少しゆっくり寝てたらどうです?」
「いや、出席日数ヤバイから遅刻できないんだわ」
3度目の欠伸をした彼を睨み付ける。
「怖い顔すんなよ。俺たち、友達だろ?」
「私、相馬(そうま)先輩といつ友達に?」
「そんな冷たいこと言うなよ」
駅の入口で相馬先輩と言い合いをすることが日常になりつつあるけれど、パーマ先輩こと相馬先輩の明るい人柄はどこか憎めないんだよね。