ワケありヤクザと鈍感少女
第一章

‐ 出会い ‐

ババ抜きをしながら

雨の降る外を窓越しに見つめる、

私の名前は、蒼井沙綾 (あおい さあや )。

16歳の有馬高校2年生。

「ねぇー、沙綾の番だよー。」
「今日蒼井、ぼーっとしすぎじゃね?」

「・・・あ、ごめんごめん!」

そんな何気ないやり取りをしているのは

私が1年生の時に出会った、

親友の1人である田中亜夢(たなかあむ)。

かわいくて、いっつも明るくて優しい彼女は

クラスでも人気が高い。

私をからかうもう1人のこの男も同じく、1年の時に出会った

真島陽龍(まじまひりゅう)。

明るいだけが取り柄のお人好しでもあり、

常にクラスのムードメーカーだ。

ちなみに亜夢と陽龍は幼なじみだ。


私は今日そんな2人に報告することがある…
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