ワケありヤクザと鈍感少女
目が覚めた俺はその女の名前を聞いて、

さらに、驚いた。

蒼井沙綾。

こいつは、いきなり泣き出すし、心配性すぎる。



俺はこいつのことを放っておけないと思った。

しかも、沙綾は俺のことを

怖くないと笑いながら言ったのだ。

俺のことを怖くないと言ったのは、組のヤツらと

あいつを除いて、沙綾が初めてだった。

そんな沙綾に俺は自然と笑みが零れる。

・・・俺は先走って「鈴木組に来ないか」と告げた。

目を丸くして思考を停止させる沙綾。

また人を不幸にする・・・。

・・・人を好きになる資格はない。

それをわかっているはずなのに・・・。

沙綾は俺の弱い部分を受け入れた。


・・・沙綾は俺の心にすっと入り込んできて、

久しぶりに胸が焼けるような熱さを感じた。

それと同時にこいつの笑顔を、

俺が守りたい、そう思った。






俺はこいつを一生かけて守り抜く決意をした。
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