ワケありヤクザと鈍感少女
その時私は重大なことに気づく。

「あの、響也さん私パジャマ持ってきてない・・・」

「・・・待ってろ。」

と言って、クローゼットから服を取り出す。

「おっきいかもしんないけど、これ着て。」

私の手に渡されたのは、

メンズサイズの大きめのパーカーに、

短めのハーフパンツ。

・・・これが私のパジャマってことだよね。

「ありがとう!」

「おう。」

すると、響也さんも手に服を持っている。

「・・・響也さん、それ」

「…一緒に入ろうと思って。」

「・・・え?」

私は顔の温度がどんどん上がっていくのを感じた。

そんな私に気づいた響也さんが笑い出す。

「なんか不満でもある?」

そんなかわいい顔されても・・・

「あ、あたりまえでしょ!だめ!」

私はぽかぽかと響也さんの肩を叩く。

「・・・冗談。」

笑いながら私の肩を組む。



「し、心臓に悪い冗談はやめてください!」

顔を真っ赤にしながら怒る私の顔を見ながら、

笑う響也さんを無視して、

私はお風呂場へと向かった。
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