ワケありヤクザと鈍感少女

‐ 日常 ‐

…キーンコーンカーンコーン

…キーンコーンカーンコーン

｢…やっと終わったー！｣

鳴り響く下校のチャイム。

｢沙綾ー、帰ろー！｣

｢うん！帰…あ、そういえば

私迎えが来るんだった…｣

いつも通りの学校生活を送ってすっかり忘れていた。

そっと窓の外を見ると校門から少し離れたところに真っ黒なリムジンが停まっている。


(…目立つなぁ)

｢お迎えリムジンやっぱ目立つねえ…｣

亜夢はそう言うと私の腕を引っ張って

リムジンの待つ場所へと向かう。



リムジンの待つ場所へと着いた亜夢と私は助手席の窓を叩く。

｢遅い……

って、その子は？｣

｢…遅くなってごめんなさい。

この子は親友の亜夢！｣

私の後ろに隠れる亜夢を前に出す。

｢は、初めまして！

亜夢です。よ、よろしくお願いします！｣



｢…はじめまして。

とりあえず、2人とも車乗って。｣

一言だけそう返すと匡は私と亜夢を車に誘導する。