最初で最後の想い
人気者のあの人は色んな人に囲まれていたが、今は一人のようだ。
でも、なにを伝えればいい?あの人は私の名前も知らないのだから。

告白しようか?いや、あの人は私の名前も知らない。
ずっとライブ見てました?ありきたりすぎて印象に残らない。
私のこと知ってます?バカか、変な人だと思われる。

私の頭の中はグルグルのミキサー状態。
そんな中、あの人は私がオロオロしているところに気づいたみたいだ。

言え!言うのだ!!好きですと。

「あ、あの」

「あ!やっぱりそうだ!!」
「君さ、俺らのライブに毎回来てくれてた子でしょ??」

まさか、まさか、知られていたのか。
私は恥ずかしさで顔が真っ赤になる。

「あぁごめん。なにか言いかけてたよね?」
ダメだ。もう頭の中が真っ白だ。何を伝えようとしてたんだっけ?
ほら早く言わなければ。あの人も困っている。

「あの、先輩」
「ん?」
「演奏、好きでした。ご卒業おめでとうございます」
「うん!サンキュー」

それだけ交わしてあの人と別れた。
やっぱり私は臆病だ。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

保健室にて

総文字数/4,393

恋愛(学園)14ページ

表紙を見る
つまらない私の平凡な初恋

総文字数/4,944

恋愛(学園)16ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop