保健室にて
「木村さん久しぶりね」
高橋先生はいつもと変わらず迎えてくれた。
「あの?一哉くんいますか??」
そうたずねると先生は驚いたような顔をした。

「彼から聞いてないの?」
その声色でわたしの心はサーっと冷えていった。
「彼ね。検査が予想以上に悪くて、大学病院に入院することになったの」
何を言っているんだ先生は。
「ごめんなさい。木村さんは知っていると思ってたから」

気がつけばわたしは学校を飛び出していた。
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