保健室にて
男の人の声がしてドキッとした。
まさか隣に誰かいたのか。
「ご、ごめんなさい」
謝るが返事がない。聞こえなかったのかな。
「ごめんなさいっ」
先ほどより大きめの声で言った。
「うるさいなぁ。聞こえてるよ」
なんだ聞こえてたのか。
それなら返事の一つでもしてくれればいいのに。

「こっちはホントに体調悪くて寝てるの。あんたと違って」
「えっ!?なんで」
「なんでってさっきからぶつぶつうるさいから」
まさか口に出てたなんて。完全に一人だと思って油断した。

「それだけ喋れるなら授業に戻ったら?」
なんだか嫌味ったらしい人だな。
「こっちにも色々あるの」
「色々って要するに言い訳でしょ」

これにはカチンときた。
シャッと隣のカーテンを開け
「あなたも実はサボってるだけじゃ 」
そう言いかけて口が閉じる。
そこには痩せた肌が色白く、それでいて幻想的と思わせるほど綺麗な顔をした男の子がいた。
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