保健室にて
それからというもの、わたしのサボり回数は増えていった。
もちろん行き先は保健室だ。

「ねぇ、一哉くん!今日の放課後空いてたら遊びに行かない??」
「疲れるから無理」
「雑誌でチーズケーキが美味しいってカフェを見つけたのっ!」
「っ!考えとく」
彼は意外と甘党だった。

二回目のサボり以来、少しずつお互いのことを話すようになった。
聞けば彼も体調が悪くなりやすいそうで、保健室に通うことが多く退屈なんだそうだ。
遊びに行くことも増え、下の名前で呼び合うようにもなった。
わたしの不安は彼が解消してくれる。
彼の寂しさもわたしが埋めてあげれる。
そんな風に思っていたある日のこと。
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