伝説に散った龍Ⅰ
…あ、でも。
芹「ねえ、そもそもさ、
そんな目立つ格好しといて、
俺たち不良ですー危険ですーって、自分たちからアピールしてるようなもんなのに、
受け入れてくれるカラオケ店あると思ってるわけ?」
私の頭の中に浮かんだ、一つの疑問。
…これが最もじゃないかと思う。
柚「あー、それなら大丈夫。
駅前のサルオチあんだろ?
あそこ、俺らの先代がやってる店だから俺らOKなの。」
あー、なるほど。
てか待て、大丈夫かその店。
暴走族の先代がやってる店…って。
少しだけ身震いして、柚をちらり見る。
芹「…じゃあ、行こっか、早いとこ」
この時の私はまだ知らないんだ。
ポケットからアレを出し忘れていたこと。
それが、後に問題となること。
この、両方を。