伝説に散った龍Ⅰ
ーーなんつって、いつも俺に妬かせるんだから、大変なんだよ。
と、爽もそう言って笑った。
だから、私も
芹「お人好し、なんだから」
…笑った。
ねえ、伊織。
芹「ねえ、伊織。」
伊「なあに、芹那ちゃん」
私は伊織の耳元に、ぐっと口を近づける。
芹「いいところだよね、黒龍って」
伊「でーしょ?」
小さな声のこの会話。
だけど、
烈には聞こえていたようで。
烈「ったりめえだろ」
手荒く、私の頭を撫でた。