伝説に散った龍Ⅰ
「だって、芹とは全然違ぇじゃねえかよ!あの優しい歌も声も、こいつからは感じらんねぇだろーが!
だいたい、こいつだって他の奴らとどうせ同じだ!
親友?はっ、ほざけ!
裏では陰口たたいてんじゃねえの!?俺たちに近づくための口実に過ぎねぇだろ、所詮。
…なんでそんなことすんだよ!
馬鹿にすんのも大概にしろよなっ!!
俺だって好きで女嫌いなわけじゃない!けど、お前みたいのがいるから!
だから女は嫌いなんだよっ!
そんなだから
ーー世那にも失望されたんじゃねえの?」
早口で、私をここまでかと言うくらい罵った水月柚。
「女は嫌い」か。
「世那に失望された」か。
ダメだ、反論、出来ない。
実際、世那だって今、私の元にはいない。
けど、でも。
私の口はもうきっと、止まることを知らないから。