伝説に散った龍Ⅰ




「えーっと、ニンジン、ジャガイモ、…肉は、っと、あったあった。



白菜に、マヨネーズでしょ、
あ、ケチャップあったっけ?



…んと、これくらいか」



会計を済ませ、スーパーを出る。



夜道を一人で歩いていると、
どこからか、微かに争い声が聞こえた。



「……っだよ!……つまで、……れはっ!」



誰だよ、こんな夜中に。



そう思って、声のした方へ歩く。



それは、ほんのちょっとの興味。



だから、思いもしなかったんだって、
そこにいるのがあんただったなんて。



「ーー水月、柚」



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