愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜




圭吾くんは2年前まで、高校教師だった。


私の担任の先生で、命の恩人でもある。


親に捨てられ、生きることを諦めた私に手を差し伸べてくれたのは圭吾くんだった。


それなのに私は、何度も何度も圭吾くんの元から逃げた。


けど、圭吾くんは何度も何度も迎えに来てくれて手を差し伸べてくれた。


だから、私は今生きている。



高校教師を辞めるきっかけを作ってしまったのは私だったけど、圭吾くんは私のせいじゃないと言った。


むしろ、お姉さんの想いから解放してくれたと言った。




私は高校を卒業したのに、いまだに一緒に暮らしてくれている。
今は圭吾くんのお母さんも一緒だけど、家族のように接してくれてる。




生きていて今が一番、幸せだと感じている。



そんな幸せをくれたのは、圭吾くんだ。










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