愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜






¨櫻井のような、悩んでても人に言えないような子達が気軽に来れて、相談できるようなカフェにしたいんだ¨




オープンする前は圭吾くんはそう言っていたけど、あんなにキャーキャー言ってる子達が毎日居たら、私みたいな子は行かないよね。



あの雰囲気についていけないしー…




カンカンカンー…



店の近くの踏切で、電車が通過するのを待つ。



「ほんと、暑いなー…」


炎天下の中、立ち止まるともっと暑く感じる。



一人で踏切前で遮断機が上がるのを待っていると、隣に人の気配を感じた。


横目でその人を見ると、セーラー服を来た中学生ぐらいの女の子だった。


夏休みなのに、部活かな?



その時はそんなに気にも止めなかった。






しかし、電車が近づいて来るにつれてその女の子の雰囲気がおかしいことに気付く。






なんか、この子ー…




今度は横目ではなく、顔を向けて隣にいる女の子を見た。




がん見しているはずなのに、目が合わない。



女の子は、ずっと遠くを見ている。





まさかー…






カンカンカンー…




電車の音が大きくなってくる。






まさかー…





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