青色の輝き
俺もそろそろ委員会行かないと。




保健テントまでのんびり歩く。




別にお祭りごとを楽しむ友達なんていないし、そもそも友達なんて呼べるのは光瑠ぐらいなもの。




誰かと写真を撮ったり、誰かを応援したり、そんなことする理由のない俺は、周りがどれだけ楽しそうにしていようとものりに乗れないタイプだ。




「交代します」



「あ、ありがとう」




時間は少し早いけど1つ前のシフトの女と交代した。



多分先輩。





まだ、体育祭が始まって間もない。




グラウンドでは走る競技が進行している。




俺はただのんびり日陰でグラウンドを見つめるだけ。




暇。




ただ、のんびり時間が過ぎるのも見てられないぐらい暇。




目の前では校内で噂のカップルがイチャイチャしている。




それはもう今にもキスするんじゃないかってぐらいに。




男の手が女の腰に巻きついている。
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