青色の輝き
栞里はそう言うと、白石の服の裾を掴んで、微笑んだ。




だからって白石を誘う理由なんか、ねぇだろ…。





「栞里ちゃんの優しい計らいだぞ。ありがたく受け取れ」




「そりゃどーも」




適当に思ってもないことを返して白石の方を見る。




白石は俺のことを見て微笑んだ。





「今日は、よろしくね?」




「あぁ」




俺たちはそのまま電車に乗り込んで、3駅先の駅で降りた。




涼しかった電車から出ると無性に暑くて、長袖を羽織っている白石を見ると、余計に暑く感じた。




「なんで、長袖なわけ?」




「日焼けしちゃうの嫌なんだもん」




そう言って、服の裾から少しだけ出した指の先に視線を落とした。



指の先まで白い。



オフの日で学校外なのに、メイクはいつも通りそこそこ濃いし、ちょっと香水の匂いがする。



唇はいつもより赤いのを塗っているようだし、アイラインも少し濃い。

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