青色の輝き
3年前の水色
3年前。





中学2年、俺はバスケ部で、毎日ボールを追いかけていた。





あの頃は、毎日が楽しかった。





今ほど、感情が顔に出なかったわけじゃなかったし、なんなら、よく笑う方だった。





人並みに好きな人だっていた。







女子バスケ部の練習試合で、南中から来ていた髪の短い、女の子。





何と呼ばれていたか、それは覚えていないけど、ただ、名字が『仲井』だったと言うことと、もう一つ。



バスケが、シュートを打つ時のフォームが、綺麗過ぎて。




見とれたのを覚えている。




シュートが入った時の嬉しそうな顔と、真剣にボールを追いかける時の、鋭い目つきが、かっこよくて。




好きだった。




あの時は。






夏の地区大会、第2回戦。




南中の男子バスケ部と当たった。




南中には、1年生で試合に出て来るような完璧な男がいた。




仲井咲久。




俺が好きだったあの子の弟だった。
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