青色の輝き
「あ、じゃない。急に消えるな」



「だってさっきの人たちが私の腕を引っ張るから」




そんな時でもわたあめを食べ続けていたお前の神経がわからない。



俺は、白石の手を取ると、人が少ないところへ移動した。




「二井くん、わたあめ食べちゃった」



「は?」




ついさっきまで半分以上残っていたわたあめは振り返ると跡形もなく消え去っていた。




人の少ないところに移動した意味も消え去った。





「二井くん、唐揚げ食べたい」



「へい…」




その後もなんだかんだ、唐揚げ、りんご飴、フライドポテト、カステラ、焼きそば等々いろんなところに回って、



その都度白石はぺろっと平らげていく。




さっきから全部俺が払ってるけど、なかなかお金が減っていく。



白石いわく、財布を忘れたらしい。



それでも、お金の出所は人の財布だということを気にせず引くほど食べる。




なのにほっそいのな。
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