青色の輝き
「二井くん、そろそろ花火だね」



「ああ、そうだな」




「私、いいところ知ってるの、行こ?」




白石は笑って俺の手を取ると、ちょこちょこと俺の前を歩く。



繋いだ手からチラチラ見える白い腕。



そこから見えるのは、






青いアザ…?




「ここ!」




「なぁ白石」




少し暗い、人が全くいない場所について、白石が振り返った。








「腕のそれって、アザ?」








俺がそういうと、白石は浴衣の袖を押さえて手を離した。





「こ、これは…」



「なんかあったのか?」



「その…」



「白石」




俺は白石をじっと見つめると、白石はうつむきがちに言った。





「…お父さんに、殴られたの。…いつものことだけど」




白石はそう言って浴衣をめくって白い腕を出した。




花火が光った。




否、白い腕なんてどこにもなかった。
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