青色の輝き
「あ、あのっ…。



今日、家の鍵忘れちゃって…泊まらせてもらおうと…」




白石は中途半端に嘘をついて、頭を下げる。




「あらぁ、そうなの。ままま、ゆっくりしていきなさいな。



お祭りではたくさん食べた?まだ何か作りましょうか?



今から私お好み焼きするんだけれど、一緒に食べる?」




うちの親はどこか抜けているのか、息子が女を連れ込んでてもスルーしてしまうらしい。



なんなら晩御飯のお誘いまでしてる。




「い、いいんですか…!」



誘われた白石は喜んで立ち上がり、それに飛びつく。




「あはは、一緒に食べましょ、今から作るわね?



ん?あらぁ、あなた結衣ちゃんじゃない。



3年ぶりかしら〜、礼央と仲良くしてくれてるのね、ありがとう」




白石が咲久の姉だということに気づきつつも喋り続けて、お好み焼きを作り始める。




「お、追い出されなくてよかった」



「まぁ、母さんは適当だからな」
< 44 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop