青色の輝き
「大丈夫か?」



「ん…ちょっと体痛いかも」



白石は、服の袖を口元に寄せながら起き上がる。




「…お主、寝起きの顔見たな?」



「あぁ、そうだな」



「ぶくぶくに腫れたこの顔を見たのか…。



もうお嫁に行けない」




白石はふざけてそんなことを言いながら、昨日持っていた巾着から化粧道具を取り出した。




「化粧するのか?」



「手足だけ、傷隠すの。昨日みたいに、バレちゃったらダメだからね」




そう言って白石は青あざのある足や手を白く塗っていく。




「いつまで、隠すつもりだ?」



「…隠すの、もうやめるよ。二井くんも頑張るから、私も頑張ることにする」



「そうか」




白石は、少しスッキリした顔をしているように見えた。
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