青色の輝き
「…なんかあったら、容赦しない」



「咲久は酷いことしないよ」




一番近くで見ていた姉が、ただ、嬉しそうに微笑む。



「て言うか、咲久って栞里と付き合ってるんじゃねぇの」



「へ?なにそれ。



栞里の彼氏、年上だし、他校だし、咲久と違って小さいしイケメンさんだよ?」




まぁたしかに、咲久はどちらかと言うと、可愛いタイプの顔だし、の割には身長がなかなかある。



と、そんなとき。



文化祭の告げる放送が校内に響いた。




「私、片付け行かなくちゃ。付き合ってくれてありがとうっ」



「あぁ」



「あとっ!



咲久はほんとに未央ちゃんのこと大事にしてるから。



多分、まだキスもしてないと思うよ」




白石はそれだけ言うと手を振って走り去っていった。




未央が、知らないうちに俺の手の中から抜け出そうとしている。



多分、俺に気を使って、それが未央なりの優しさ。
< 71 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop