青色の輝き
すると、俺の視線に気がついたのか、青い髪の女は俺を振り返った。



見つめているのが俺だとわかると立ち止まってにっこり笑い、手を振った。



俺は愛想悪くポケットに手を突っ込んだまま歩き続ける。




「無愛想だなぁ、二井くんは」



「無愛想で悪かったな。お前に興味ないんで」



「そんなこと言って、私のことが気に入らなかったんでしょう?」




そう言ってにっこり微笑む白石はたしかにみんなが言う通り可愛い。



しれっと俺の横を歩くあたり、道端で人に声をかけるのはよくあることらしい。




「ちげーし、ただの散歩」



「素直じゃないなぁ」



白石に核心を突かれたけれど本当のことなんか言えず、適当なことを言う。


自分でもめんどくさい性格だとは理解しているつもり。



「久しぶりにここの道歩いたけど、桜がないとやっぱりさみしいね」



白石は緑の葉を見上げて、そう言う。



俺はなんと答えればいいかわからず黙り込んだ。
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