俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「で、どうすんの碧翔」
「俺はさっさと告ればいいと思うけど」
「…、わかってるけどさー…」
でも、自信はないわけよ。
だって…俺よ?とくに取り柄もなく、いたって普通の男子って感じで…
そりゃお前らは『ザ・陽キャ!!』って感じだけど
俺なんて普通に2軍男子、みたいな見た目だし
ってかなんで俺このグループに馴染んでんだって感じだし
本当こんな普通のやつが、『ザ・陽キャ!!』な涼すけに告るって
なんか…似合ってねぇー…
「正直さ、確かに今までの碧翔って飛鳥くんの片割れ、みたいな存在でいることが多くて、なんでも飛鳥くんと比べられてきた思うけど、でも
今日の演劇部の碧翔、すっごいかっこよかったよ?
ぶっちゃけあの中ではピカ一だったし、普通にめっちゃかっこよかったから
もっと自信もっていいと思うよ?」
「そうそう!私らでもかっこいいって思ったんだから!
普段の碧翔をよく知る私らでもかっこいいって思ったもん!」
「・・・なんか、それはそれで複雑なやつだな」
なんか素直に喜べない…
普段の俺が残念過ぎるってことかよ…
「まぁ告るか告らないかは碧翔次第だから俺らがどうこう言う問題でもないと思うけど
でも友だちとして、後悔だけはしてほしくないわけだよ」
「そうそう。
結局動かないで他のやつに取られるのがいっちばん虚しいからな」
「あ、今日ファミレスやめてカラオケにしねぇ?」
「え。」
え、なにその急な話の展開。
こいつ今まで俺らの話聞いてた?