俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「あ、カラオケもたまにはいいなー」
「な!決定!ってことで」
そう言って、みんなカバンを持ったから俺も立ち上がってカバンを取ったら
「碧翔は涼を待ってろよ?」
「…は?」
「だって涼はいつもんとこだと思ってんだから、誰かが教えてやんないと!」
「そうそう!
だから碧翔は涼を待ってろよ」
「あとで部屋番LINEするから~」
「え、え。ちょっ…!」
そう言ってみんなはどんどん動き出したから1人あたふたしていたら
「碧翔、男見せろよ?たまにはさ」
そう肩にポン、とやられ
なんかみんながこっち見て
俺だけ、置いていかれた。
・・・ってかこれ、完全告れよって話じゃん。
俺別にそんなつもり全然なかったのにー…
これで告らなかったらまたダセーとか言われるんだろうなー
俺っていつも残念キャラだし…
告白、か…
俺、告白とかできんのかな…
教室にひとり
今日一日のあのにぎやかさとは正反対の静寂に包まれた教室でひとり、そんなことを考えていた。
涼すけのことは好きだ。めっちゃ好きだ。
でもなんか…告るとか、涼すけと付き合うとか、なんか夢の世界の話というか
自分の話っぽく感じない。
俺にもそういう可能性あんのかなって…
そんなことを考えていたら
静寂な教室に、俺のスマホが着信音を鳴らした。