俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
…って、父さんじゃん
なんなんだ、珍しいな
「もしもし?なに?」
『あぁ、碧翔今日夕飯いるのか?
今日みんな外食で夕飯用意しないって母さんから連絡来て、もしあれなら碧翔と食べてきてって言われてるから。
まぁ碧翔も文化祭打ち上げとかあんなら俺1人食ってけど、どうする?』
「あー、俺も友だちと食べてくと思う。
まぁ食べてかなきゃなんか買って帰るから」
『そ、了解』
「あ、父さん」
『ん?』
「…変なこと聞くけど、父さんと母さんてどっちから告って付き合ったの?」
『…俺からだけど?』
「・・・ま、やっぱそうだよな」
大抵は男から告るんだろうな。
そんな感じする。
『まぁでも俺の場合、母さんが俺のこと好きだって知ってた上で言ったから言いやすかったんだけどな』
「え、なんで?」
『…社長が余計なこと言いまくるから』
「へー…
でも気持ち知ってんなら楽でいいな」
『まぁでもさすがに告る時とかプロポーズの時とかはめっちゃダサかったと思うけどな』
「え、なんで?」
『なんでって言われてもなー…
そんだけ真剣だからかな。かっこつける余裕なんてなくて』
「んー、なるほどね」
『なに、碧翔誰かに告るのか?』
「いや別に決定事項じゃないけど!
ただ友だちから超言われてて」
『…そ。まぁ、言うなら早い方がいいし、好きなら好きってちゃんと言えよ?
適当に、恥ずかしがってごまかすとちゃんと伝わらなくて誤解される場合もあるし、そんなことしてると誰かに取られたりするからな』
「…肝に銘じときます」