俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
え、えっ…
告白しようと思った…って、え。
そ、それって涼すけって俺のこと…
「あのさ、私「ちょっと待った!!」
「…え?」
ちょっと、ちょっと待ってくれ
それ、涼すけから聞きたくない。
「な、なんだよ、急に…
話って、そういうことかよ」
俺は恥ずかしくて下を向いた。
涼すけの顔が見れなくて…
「…な、なんか急にごめん。
こんな話されても、困るよね…」
その涼すけの声が、すごい低いトーンで
『告るなら堂々と』
父さんの言葉が頭をよぎった。
…照れてちゃ、ダメだよな
俺はそう思って、立ち上がって涼すけの目の前に立った。
「あ、碧翔…?」
怖がんな、俺。
もうほぼ涼すけの気持ち、わかったんだ。
勇気出せ、俺…!!
「…俺も、話あったから待ってたんだよ」
「話…?」
少しうるっとした目を、俺に向けた。
そんな涼すけが可愛すぎて
「涼のことすき」
俺はもう、さらっと気持ちを言ってた。
涼すけの目を見て、はっきりと。
俺の言葉を聞いて、少し涼すけは固まったけど
すぐに俺から目を離して下を向いた。
「…碧翔が私のこと涼って呼ぶの、初めてだね」
「う、うるせぇよ
こういう時はふざけたくねぇの、俺も」
「はは、そっか」