俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「えー…、本当にいいのかな…
だって私ASAHIくんのファンなんだよ?本当にいいの?」
「まぁ兄貴は全然気にしてる感じしなかったし
母さんも楽しみにしてるし、父さんは涼すけのこと見たことないからすっげぇ興味津々だし」
「え、てか碧翔んちお母さんも私会ったことないよ?」
「あー、昨日文化祭来てたんだよ。
兄貴のやつ見るために。
で、小窓から涼すけのこと見てたから」
「えー!なんか恥ずかしい…
碧翔んちお母さんもめっちゃ若いし可愛いし…
ASAHIくんのイベントだから気合入れてきたけど、気合入れてきてよかったー…」
「ま、そういうことだから
たぶん帰り遅くなるし、家に連絡しとけよ?
帰りはたぶん送るし」
「はは、たぶんってなんなの」
「いやまぁ送るわ!父さんか兄貴が車出すと思うし」
「え!いいよ悪いな!!」
「いや俺だったらいいんかい!!」
俺のその突っ込みに、涼すけは笑った。
まぁ遅くなるのに送ってかないなんてありえない。
誰も車を出さなくても、俺が送っていくよ。
ま、あの過保護な家族なことだからなんにも言わなくても車出してくれるだろうけど。