俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



「そっか、朝陽今すごい人気だもんな―。
実際さ、涼ちゃんは朝陽のどこがよかったの?」

「いや父さん
なにその俺に魅力ないのに、みたいな質問」

「ってかなんで父さんまでちゃん付けなんだよ…」

「え、母さんも朝陽もそう呼んでるから?」

「あ、じゃあ俺も荒木じゃなくて涼ちゃんて呼ぶかな」

「飛鳥が涼ちゃんとか呼んでたら変な誤解されるじゃねぇか!!」


ったく、なんなんだこの家族…
人の彼女で遊びすぎじゃね…


「で、実際俺のどこがよかったの?涼ちゃん」


・・・結局ちゃん付けは直らないわな…


「あ、えーと…
…正直言うと、碧翔に似てるから、ですかね…」

「え?」

「碧翔に似てるから、他でも碧翔に似てるかな?って探してるうちに、好きになってました」


涼すけのその返しに
兄貴は少し黙ったけど


「なんだ、最初から碧翔に負けてたのか―
なんかめっちゃ悔しい」


そうやってガキっぽく笑う兄貴はなんかやたら嬉しそうで


「こんな碧翔ですけど、これからもよろしくお願いしますね」


母さんも、やたら嬉しそうだ。


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