俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
飯食って、時間も遅くなる前にってことで
涼すけはもう帰ることになって
結局彼氏っぽいことはなにもせずに今日が終わる。
兄貴が車出そうか、と言ってきたけど
俺がばっさり断り、父さんが車を出してくれることになった。
もう兄貴はいいよ、まったく…
「なんか騒がしい家で落ち着かなかったよな」
「はは、そんなことないよ。楽しかったよ」
「普段は父さんもいないし、兄貴もいないし
ってか飛鳥もほぼいないし
そういうときにまた来て」
「うん。次は咲空ちゃんと仲良くなる!」
「いや咲空かよ!…まぁ咲空は大抵家にいるか…」
車で走ること30分
わりと近いんだな、と思いながら
涼すけの最寄り駅までついた。
涼すけんちは駅からすぐだからロータリーにとめてください、と涼すけがいうんでその通り止めて
「俺家の前まで送ってくるわ」
父さん残して、俺は涼すけと一緒に車を降りた。
「本当、騒がしくてごめんな」
「ううん、本当に楽しかったし
知れば知るほど、碧翔とASAHIくん、似てるよね」
「えー、そうか?
俺あんなに優しくないけど」
「え、優しいよー
それになんか、雰囲気って言うか
周りを大事にしてる感じが、なんか似てる
笑い方とか話し方も似てるけどさ」
「…まぁでも、それなら嫌な感じしないわ」
「はは、嫌な感じって」
そんな会話してる間に、本当歩いて数分で
「あ、うちここ」
涼すけんちについた。